NAMは、あらゆる乗り物や産業機器を「うごかす、とめる」ためのモーションコントロール技術で社会を支えるナブテスコグループの一員です。業界内では「NAM（ナム）」の愛称で親しまれています。当社では、事業の領域をトラックやバスなどの輸送機器に特化し、商用車用のブレーキのトップメーカーとして常に業界をリードし続けています。ぜひ「NAM（ナム）」という呼び方を覚えてくださいね。

私たちが作るブレーキやクラッチは、自動車の安全性を担う重要な保安部品。運転手や乗客など多くの人命に関わるため、ものづくりに一切の妥協は許されません。当社では「安全・安心・快適の追求」を原点に先進的かつ独創的な技術を磨き続け、部品の開発から設計、製造、販売までを一貫して手掛けることで、安全な社会に貢献しています。

エアブレーキとは、圧縮空気を利用してブレーキを作動させる装置のこと。トラックやバスのブレーキには強い制動力が必要になるため、空圧制御によるエアブレーキが使われています。エアブレーキは、圧縮空気を乾燥させるための「エアドライヤー」や実際に車輪の動きを止めるための「ブレーキチャンバー」などで構成されており、NAMでは、商用車用「エアドライヤー」「ウェッジチャンバー」共に国内トップシェアを確立しています。最近では、コンプレッサーを含め、ブレーキシステム全体を制御するシステムメーカーとして、さらなる挑戦を続けています。

NAMの前身は1925年創業の「日本エヤーブレーキ（株）」。日本で初めて乗用車用オイルブレーキや商用車用エアブレーキの国産化を実現した老舗の自動車部品メーカーです。1972年には日本で初めて自動車用エアドライヤーの開発に成功。自動車産業の黎明期から約90年にわたって革新的な製品を生み出し続け、業界をリードし続けています。

出所：一般社団法人 日本自動車販売協会連合会「大中型貨物車販売台数」より当社推計

私たちは長年にわたってトラック、バスの主要メーカーとの信頼関係を築いており、多くの大型・中型トラック、観光バス、路線バスにNAMのブレーキ製品が搭載されています。国内シェアはエアドライヤーが約70％、ウェッジブレーキ用チャンバーは約75％を占め、トップシェアを確立しています。

かつて日本に存在した商用車向けブレーキメーカーはすべて海外の巨大部品メーカーに買収され、いま純国産メーカーとして残っているのはNAMだけとなりました。私たちは日本メーカーとしてのプライドをかけて、部品の開発から設計、製造、販売までを一貫して手掛け、世界の大手メーカーと渡り合っています。山形工場の製造ラインでも、ほぼすべての設備を自社設計・自社製作し、独自のノウハウを蓄積。品質や生産技術において世界トップクラスに位置づけられる日本の自動車づくりの一端を担っています。

社会が抱えるさまざまな課題を解決すべく、自動車業界は大きな変革期を迎えています。ゼロエミッション車の実現に向けた電動化が商用車領域でも進んでいるほか、物流業界の深刻なドライバー不足を解消するために、トラックの自動運転や隊列走行の実用化に向けた取り組みも進んでいます。NAMは、ブレーキシステム全体の電子制御や電動化など、つねに革新的な技術の開発に挑戦し、世界水準の技術力で次世代のトラック・バスの開発を支えています。

NAMは、2004年にタイ、2013年にはインドに進出。国内同様の高い品質基準を設けて、成長著しい東南アジアのマーケットで存在感を高めています。今後は日系自動車メーカーとの連携をさらに深めながら、ASEAN地域におけるシェアを拡大するとともに、中国などでの展開も積極的に推し進め、アジアNo.1ブレーキメーカーの座を目指しています。また、日本の技術を世界に送り届けるという使命感のもと、ヨーロッパやアメリカへの進出も視野に入れて、グローバルな挑戦を続けていきます。

お客様の多様な要望に、きめ細かく応える技術力がNAMの強みです。海外のブレーキメーカーでは、ブレーキ部品を標準化し、その部品に合わせて自動車メーカーがクルマを作る方法が主流です。しかしNAMは、お客様である自動車メーカーやサプライヤーの要望に合わせて、ひとつひとつの製品をオーダーメイドで開発。クルマの仕様変更や新型車の開発に合わせて、お客様と一緒に新しいクルマを構想し、まだ世の中にないブレーキを生み出していく。そうしたお客様との信頼関係も、他社にはないNAMの特徴です。

NAMは、海外工場を含めて約400名の会社で、企業規模としては決して大きいわけではありません。少数精鋭の職場環境で、一人ひとりの仕事の幅が広く、若手のうちから責任のある仕事を任されます。それと同時に、NAMは一部上場企業であるナブテスコグループの一員であり、福利厚生や研修制度の面では、ナブテスコと同じ手厚いサポートを受けることができます。さらにNAM単体でも「健康宣言」を制定し、定期健康診断を年に2回実施するなど、すべての社員が心身ともに健康で、元気に働ける職場づくりに取り組んでいます。